見た目で判断しないで実態をよくみる:前三三後三三の秘訣

2024年3月4日

前三三後三三画像

 

人は、見た目にとらわれることがあります。

成功している人はきらびやかに見え、そこまでの苦労や努力を感じさせません。

成功している人は、何度も何度も失敗をしそれを糧にしてきて、物事の本質を見抜ける人でもあります。

 

はじめまして、料理人になって40年、独立開業して15年になるよしさんです。

 

本質をみることは、何事においても重要です。

 

今日は『 前三三後三三 』という禅語からの氣付きについてご紹介します。

 

最初、この言葉を知った時、何を表しているのかまるで想像がつきませんでした。

この言葉の成り立ちとして、ある禅僧が、旅の途中で文殊菩薩( もんじゅぼさつ )と出会ったとき質問したことの内容です。

禅僧が「 あなたの住んでいるところでは、仏の教えに従っておられる方はどのくらいおられますか?」と尋ねたとき

 

文殊菩薩( もんじゅぼさつ )が「 前三三後三三 」と答えました。

前三三後三三

  • 『新版 禅学大辞典』には、「文殊が無著に示した前三三後三三の三三は無数を言っているのであって、前も無数、後も無数の意である。文殊の方から言えば、佛法の修行者はある特定の三百、五百といった人間のことではない。すべて佛法の修行者でないものはないというのである。したがって、この文殊の道場では凡夫も聖人も何等差別はなく、凡聖同居、竜蛇混雑であると示したもの」とある。【文殊前後三三】            引用元 茶席の禅語集

この言葉の真意を簡単に表すと

「 見た目の数字に意味はなく、仏の心をきちんと宿しているかどうか、それにこそ本質があるということです。つまり見た目の数字にとらわれず、本当に必要なものかどうか、もう一度心に問いかけましょう。 」ということ

私も店舗を運営する経営者としてどうしても数字はついて回ります。

店の存続のためには、業務改善をして売上を上げる必要もあります。

 

そのためには、お店の数字を数値化することは必須条件と言えます。

文殊菩薩が言ったように、見た目の数字にとらわれすぎていないか、改めて自問自答をして、本当に必要なものに目を向けることの大切さに氣付きました。

文殊菩薩画像

この禅語を教えてくださったお坊さんが、このような話をおっしゃっていました。

「 経営 」とは仏教用語です。

経営の経とは = 真理

経営の営とは = 糸を織り込むこと

真理の縦糸に、試行錯誤を織り込み 一枚の布を作っていく、心理がなければ糸はただの糸くずにすぎません。

 

経営において利益を追求することは、とても大切なことです。

 

利益とは、企業が商品を売ったお金から、商品を作るためにかかったお金を引いた残りのお金のことです。

 

この利益は、企業が長く続けていくために必要です。

お金を貯めたり、新しい商品を作ったりするために使います。

また従業員に給料を支払うこともできます。

経済的な視点では、利益は企業の成長や繁栄にとってとても大切なものです。

 

一方、仏教の考え方では、利益には別の意味があります。

 

仏教では、利益という言葉を使うとき、神や仏がくれる恩恵や、他人を幸せにすること、他人のために善いことをすることが大切だとされています。

 

善いことをすることが、幸せや喜びをもたらすことだと考えられています。つまり、お金だけでなく、他人の幸せや善い行いも大切な利益なのです。

経済的な利益と仏教的な利益は、違う考え方を表している言葉です。

 

お金を稼ぐことは大切ですが、同時に他人の幸せや善い行いも大切にすることが、社会全体にとって良いことだと考えられています。

 

経営は利益を追求しながら、社会に貢献する方法も考えることが大切です。

経営において、数字を見ることは大切です。

ですが、そこに真理がなければ丈夫な織物は完成しません。

 

そのためには、数字に惑わされずに、人をじっくり見ることが大切です。

「 人を見て試行錯誤を繰り返してください 」と教えてくださいました。

 

またお坊さんは、次のようにもおっしゃいました。

「 良い経営者とは、意図して売上を下げることが出来る人 」

なぜなら「 今、この段階で一番必要なことを優先できるから 」だそうです。

この話を最初に聞いた時、私の中で

「 売上を意図的に下げることは勇氣がいるし、不安や恐れを感じてしまう 」という想いが湧きがってきました。

いったん時間をおいて、改めて言われたことについてじっくり考えてみました。

目の前の数字に囚われるあまり、商品そのものの価値が下がることは本末転倒です。

そのため、意図的に売上を減らすことで、商品ひとつひとつ品質を上げていくのです。

 

その結果、利益率を上げれば会社としては問題がないという考えに基づいている。

このことに氣付きました。

 

最後に、「 良いお店とは何だと思いますか? 」と問われました。

お坊さんが教えてくださった言葉はお客さまや共に働く人が「 このお店だけは無くなって欲しく無い 」と想ってくださるお店です 。

 

また「 応援したくなるお店 」だそうです。

繁盛店とは、そのようなお店なんです。

この話を聞いて、とっても奥が深いと感じました。

まだまだ修行の日々です。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

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