【 視点を変える意味 】 日常が違って見える
商売は ❝ 商い( あきない ) ❞ ともいいます。
私は、この言葉の意味を
❝ 商い( あきない ) ❞ は自分自身があきてはいけない事
だと思っています。
今回は、私が仕事を通して得た
『 日常の氣付き 』についてご紹介させていただきますね。
皆さんもお氣付きのように
「 仕事とは、もともと単調なもの 」です。
どのような仕事であっても
基本的には同じことの繰り返しなのだと思います。
私の店を例に挙げると
お店の日常は、毎日同じことの繰り返しです。
取り立てて刺激的なことがある訳でもないです。
繁忙期になれば
休憩時間も取れない様な日々が続きますが
基本的に普段は同じ作業の繰り返しです。
料理人になりたいと飲食業界に入って
見習いの頃は
出来ることが限られるので仕方がないのですが
本当に毎日同じことしかさせてもらえない、と想ってしまってました。
もちろん、最初の数年間は初めての経験なので
新しいこと、学ぶべきことの連続で刺激的な日々でした。
ところが、3年過ぎた頃
刺激が少ない日々にだんだんと飽きてしまいました。
もっと早く新しい仕事をさせて欲しい、何か刺激が欲しい
という気持ちが日に日に強くなり、日常の仕事がつまらなくなります。
人は元々刺激を避けて、安定を求める性質があります。
本質敵な幸せは、代わり映えの無い日々の中にあるんだと思います。
人は、「 当たり前 」だと感じる物事に対して、
「 感謝 」や「 幸せ 」「 喜び 」といったことを感じにくくなると言われています。
だから、日々の暮らしの中に「 当たり前 」が増えていくと
「 ありがたいなぁ 」と感じることや「 幸せだなぁ 」
「 うれしいなぁ 」と感じることが減っていきます。
そして、それが退屈な毎日につながってしまうこともあります。
ですが、毎日同じ事の繰り返しなんて事は無いのです。
同じ日が2度とあることなんか無い
自分が氣付いていないだけ
その事実に氣付かされる出来事が起こります。
見習いだった頃は、皿洗いが日常の仕事でした。
手際よくやるやり方も覚えて、要領よく
洗える様になって、すっかり天狗になっていました。
そんなある日、繁忙期に入って人手不足だったため、
以前働いていた方( 私の1学年先輩 )が応援に来られました。
最初は、ここぞとばかりにお手並み拝見、
と想って彼の皿洗いの様子を見守っていましたが
彼の皿を洗い終わるスピードが、私とは段違いに優れており
作業が早くて全く無駄がなくて綺麗
私との違いをまざまざと思い知らされて本当にショックでした。
私も繁忙期を何度も経験していたので、作業の早さには自信もありました。
しかし、落ち着いて振り返ってみると、無駄も多く雑になっていたのです。
その時は、本当に悔しかったので
どうしたら上手くいくのか、彼に直接お願いして教えを請うことにしました。
彼が教えてくれたことは、「 毎日の皿の状態が違うよ!」ということ
最初、このことを聞いた時、私は全く意味がわかりませんでした。
彼の早くて全く無駄のない仕事の秘密は
「 その日によって使われる皿が違う 」ということを理解していたからです。
ランチタイムはほとんどが日替わりです。
ですから、その日によっては使う皿が違いますし
もちろん時間帯によって必要な皿も違ってきます。
彼は、日替わりメニューの内容と種類や
時間帯によって必要な皿をすべて把握していました。
私には同じ日常に感じたことが
彼にとっては、毎日違う日々だったのです❗️
代わり映えしない毎日の中に
視点を変えるだけで、普段とは違った仕事の仕方が見えてくるのです。
この日を境に、仕事に飽きることがなくなりました。
私に氣付きを与えてくれた彼に、改めて感謝の想いがあふれています。
今でも、仕事をするときの心構えとして
「 視点をずらす 」ことを意識して行動しています。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございます。