視点とは、仕事ができる人は視点が違う

2024年2月29日

視点を変える画像商売は ”商い( あきない ) ”ともいいます。

私は、この言葉の意味を” 商い( あきない ) ”は自分自身があきてはいけない事だと思っています。

はじめまして!
料理人になって40年、独立開業して15年なるよしさんです。

 

今は、寿司屋の大将ですが、見習いの頃はレストランに勤めていました。

 

今回は、私がレストランで見習いのとき仕事を通して得た『 日常の氣付き 』について書いていこうと思います。

 

皆さんもお氣付きのように仕事は単調なものだとあきてしまします。

仕事は、内容は違えど基本的には同じことの繰り返しです。

 

私の店でも日常は、毎日同じことの繰り返しです。

取り立てて刺激的なことがある訳でもないです。

繁忙期になれば休憩時間も取れない様な日々が続きますが、普段は同じ作業の繰り返しです。

 

料理人になりたいと飲食業界に入って、見習いの頃は何もかも新鮮で、毎日時間に追われる日々

もちろん、学ぶべきことの連続で刺激的な日々でした。

 

ところが、3年過ぎた頃、仕事に慣れて刺激が少ない日々にだんだんと飽きていました。

 

もっと新しい仕事をさせて欲しい、早く料理が作りたい、もっと刺激が欲しい

そんな気持ちが日に日に強くなり、焦りみたいなものもありましたが、日常の仕事に対して情熱がなくなりかけていました。

 

「 この仕事、俺でなくてもいいのでは・・・」

そんな気持ちでいっぱいでした。

単調的な仕事でも見方をかえれば違って見えると、今ならわかります。

ですが、このときは、21歳 物事の本質がよくわかっていなかった。

 

仕事があるのも当たり前、働いて給料をもらうのも当たり前、すべてが当たり前に感じていました。

人は、「 当たり前 」だと感じる物事に対して、「 感謝 」や「 幸せ 」「 喜び 」といったことを感じにくくなると言われています。

 

だから、日々の暮らしの中に「 当たり前 」が増えていくと「 ありがたいなぁ 」と感じることや「 幸せだなぁ 」「 うれしいなぁ 」と感じることが減っていきます。

 

そして、それが退屈な毎日に

 

ですが、毎日同じ事の繰り返しなんて事は無いのです。

同じ日が2度あることなんか無い、自分が氣付いていないだけ。

 

忘れもしない、その事実に氣付かされる出来事が起こります。

 

見習いだった頃は、皿洗いが日常の仕事でした。

 

手際よくやるやり方も覚えて、要領よく洗える様になって、すっかり天狗になっていました。

そんな8月の夏休みで店が繁忙期になるある日、人手不足だったため以前働いていた方( 私の1学年先輩 )がヘルプとして店にこられました。

 

その時は、「 俺も3年もやってきた 」という自信もあったのでヘルプなんかいらないと思っていました。

どのくらいの実力なのか見てやろうくらいに考えていて、ほんと生意気です。

 

ですが結果は・・・

 

衝撃的でした。

彼の皿を洗い終わるスピードが、私とは段違いに早い

ピークタイムとなれば、ランチで使う、グラス、皿、スプーンなどが足らなくなるので、補充の指示が2階のキッチンからインターホンで入ります。

キッチンからの補充に間に合わなければ、料理を皿にもることも出来ないし、食べることも出来ない。

 

飲食店で働いた方ならわかると思いますが

洗い場に、食器類が満杯に入ったボックスが10個洗い場に所せましと並んでいる状態で、2階のキッチンからの催促です。

慣れていないとパニックを起こします。

 

そんな中で、先輩は洗い場を涼しい顔で回していました。

そして、作業も早くて全く無駄がなくて綺麗です。

 

私も繁忙期を何度も経験していたので、作業の早さには自信もありました。

しかし、先輩とくらべると、無駄も多く雑で余裕もない。

私との違いをまざまざと思い知らされて本当にショックでした。

 

でも本当にショックだったのは、

ピークタイムが終わり料理長や先輩コックが、ヘルプに入った先輩にむけて「 皿もベストなタイミングで補充されて助かった 」と感謝のことばを伝えられる姿を見たときでした。

 

「 皿を洗う 」という単調な仕事で感謝され、「 皿洗いはやっぱりお前が一番 」と先輩がいわれているようで

 

悔しかったです。

 

自分なりに頑張っていると思っていたのですが、それは思い上がりでした。

 

どうしても「 もっと自分も必要とされたい! 」と思い、先輩に直接お願いして教えを請うことに

 

先輩が教えてくれたことは、「 毎日の皿の状態が違うよ!」ということ

最初、このことを聞いた時、私は全く意味がわかりませんでした。

 

彼の早くて全く無駄のない仕事の秘密は

その日によって「 皿の状態が違う 」ということを先輩は理解していました。

 

ランチタイムの料理ほとんどが日替わりです。

料理が違えば、皿の汚れ方も違ってきます。

バターを使う料理なら、バターは冷めたら固まります。

パスタによってもソースが違うので皿についているものが落ちにくい時もあります。

もちろん時間帯によって必要な皿も違ってきます。

 

彼は、日替わりメニューの内容と種類や時間帯によって、必要な皿やどんな状態で皿が返ってくるかすべて把握していました。

上の階にある洗い場で、2階のキッチンの状態を想像しながら仕事をしていたのです。

 

「 皿洗い 」は単調で刺激のない仕事です。

ですが、誰のためにこの皿を洗っているのか、皿をきれいに洗うことで誰が喜び、誰が感謝するのか。

見つめる視点を変えるだけで、先輩にとっては「 皿洗い 」は頭や体をすべて使ってやるもので、やりがいのある仕事だったのです。

 

先輩との実力の差は、見ている「 視点 」が違っていたのです。

 

どこを見て仕事をするのか?

視点を変えるだけで、普段とは違った仕事の仕方が見えてくると気づけました。

 

そして、退屈は、今この瞬間に意識を向けていないと起こります。

 

遠くにぼんやりと存在するものに目をやるのではなく、はっきりと存在する今日という日。

今というこの瞬間に意識を向けて働くことに意識していれば退屈だと思うことはなくなります。

 

今でも、先輩には感謝しています。

そして、先輩にすすめられて読んだ本、今では私のバイブルになっています。

 デールカーネギーの「 道はひらける 」この本はオススメします。

本にあった好きな言葉

今日一日という”区切り”で生きることが大切だ」

 

最後までお付き合いいただきありがとうございます。