個人経営者には大切な考え「和して同ぜず」意見は取り入れても振り回されるな

2024年8月3日

和して同ぜず画像

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他人の意見に賛同することは良いことです。

でも、自分の意見を曲げてまで和やかな関係を築くのは違います。

 

はじめまして、料理人になって40年、自分で独立開業して15年になるよしさんです。

 

今回は、『 和して同ぜず 』という孔子の「 論語 」を飲食店経営の立場から説明します。

 

私のお店は、家族4人で運営しています。

私を筆頭に、奥さんと息子そして、早期退職した私の弟

その他に、パートさん2名とアルバイト1名という形で日々助け合っています。

家族経営の良いところは、意思疎通がしやすいところですが、反対に悪いところは考えが偏りがちになることです。

個人店の飲食店でよくあるのが、「 何のお店かわからない 」お客さんのニーズに答えようとして環境やお客さんの意見に振り回された結果、何でも屋になってしまうことです。

 

お客さんの意見や環境の変化には対応しつつも、お店独自の特徴や個性を保つことが大切です。

そしてお互いに意見を出し合い、納得できるまで話し合う必要もあります。

 

家族経営でもあくまで家族はビジネスパートナーです。

 

「 和して同ぜず 」とは

和して同ぜず画像

 

読み方は、「 わしてどうぜず 」

意味は、「 人と協力して和やかな関係を心がけるが、むやみに人に従ったりはしないこと 」

 

言葉の由来

「 和 」とは、主体性をもちながら、他人と親しく交わり助けあうこと

「 同 」とは、自分の考えのないままに、ただ他人の言動に同調すること

 

孔子が君子の協調の仕方について

「 お互いに協力し合いながらも、むやみに同調して従ったりしない。主体的に人とはつき合うべきである  」と述べた言葉から、この言葉はできたと言われています。

 

「 君子は和して同ぜず。小人はどうじて和せず。」

君子( 徳のある人格者 )は人と調和し、仲の良い関係を築けるが、むやみに何でも賛成はしない。

小人( 普通の人 )はなんでもむやみに賛成するが、人と調和しない。

 

それでは、飲食店経営の視点から「 和して同ぜす 」が必要な理由を具体例をあげて3つ紹介します。

 

メニューの多様性と維持

 

飲食店を経営するにおいて、さまざまな種類の料理を提供することは大切です。

 

例えば、中華料理のレストランであるのに、メニューの中にカレーがあればどうでしょう。

お店側からすれば、お客さんの要望だったから仕方ないと思うでしょう。

ですが、お客さんは中華レストランなのにカレー?と迷うはずです。

 

お客さんの意見を取り入れすぎると、中華料理の特徴である香辛料や調味料のバランスの重要性がなくなります。

 

また、中華料理の醍醐味である多様な食材を使い、野菜、肉、魚介類などを組み合わせた料理を楽しみたいのに、と残念に思うはずです。

そうなれば、本当にお客さんになって欲しい人は離れお店にとっては損失でしかありません。

 

ここで「 和して同ぜす 」の考えが役に立ちます。

顧客の意見や要望にあわせて新しいアイデアを取り入れつつも、中華料理の本来のアイデンティティを守り、店の特徴を保つことが大切なのです。

 

スタッフの協力と個性の尊重

スタッフ画像

飲食店では、シェフ、ウェイター、レジ係など、さまざまなスタッフが協力してお店を運営します。

それぞれのスタッフは異なる個性やスキルを持っています。

 

例えば、シェフは料理の専門家であり、ウェイターは接客が得意です。

ですが飲食店では、お互い役割の違いから意見の衝突が起きやすいです。

 

ここでは「和して同ぜず」の精神が役立ちます。

 

お互いにもっている能力を認めあいながら、お店のために不利益になるのであれば立場を超えて苦言を呈することも必要になります。

苦言は、お店やお客さんを愛しているからこそ出てくることなので、それをみんなが受け入れる体制を日頃から作っておくことが大事です。

 

そうなればスタッフ全員が協力し、お店を成功させるために各自の得意分野を生かし、お客様に最高のサービスを提供できるようになるでしょう。

 

お客さんとのコミュニュケーション

飲食店経営者は、お客さんとのコミュニケーションを通じて、お客さんの要望や意見を受け入れる必要があります。

お客さんの好みや要望は異なることがありますが、すべてのフィードバックを受け入れることで、お店は改善し続けることができます。

 

ここで「和して同ぜず」の考え方が役立ちます。

 

お客さんに満足していただくためにすべての要望をかなえたいと思うはずです。

間違えないで欲しいのは、すべてのお客さんのフィードバックは受け入れますが、すべてのお客さんを満足させることは不可能です。

大切なのは、自分のお店に来て欲しい「 お客さんは誰なのか 」をしっかりスタッフと共有することです。

スタッフと「 お客さんは誰なのか 」を共有できれば、中華レストランでカレーを出して欲しいというお客さんからの要望は却下できるのです。

 

異なるお客さんの意見や要望を尊重しながら、お店のクオリティを向上させる方法を見つけることが大切です。

 

まとめ

「和して同ぜず」は、飲食店経営においても、異なる要素や意見を調和させつつ、お店のアイデンティティを守り、成功を築くための重要な考え方です。

「和して同ぜず」は、協力と個性を両立させる大切な考え方であり、さまざまな場面で役立ちます。

飲食店においてコミュニュケーション能力は必要です。

ですが、職場の和を重んじるばかりに、和やかな雰囲気や態度で人に接するのことは大切ですが、主体性がなくなれば本末転倒です。

主体性をもったコミュニュケーション能力を身につけることが重要ですね。

飲食店経営がうまくいくことを願っています!

今日も読んでいただきありがとうございます。

 

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