料理初心者が味見をするときの大切な5つのポイント!を解説
一人暮らしを始め、節約もかねて料理に挑戦しているが、どうしても「 味付け 」に失敗してしまう。
何度も何度も味見をしているとだんだん味が濃くなってきて、加減がわからなくなってくる。
やり方を教えてもらっても、自分の基準が曖昧なので不安になって、ついつい余計な事をしてしまう。
こんな経験ありませんか?
料理初心者が一番悩むのが「 味見 」です。
おいしい料理をつくる上で、「 味見 」は大切です。
こんにちは!
料理人になって40年、独立開業して15年になるよしさんです!
味見をしてもわからない人や、味見に自信がない人でも、この記事を読んで、「 味見じょうずの料理じょうず 」になれるように。
✅ この記事の内容
● 味見は3回まで
● 素材と使う調味料も味見する
● 味覚を鍛えよう
● 味覚の法則をしる
● 塩で変わる3つの味
それでは、「 味見 」をする上で大切な5つのポイントを詳しく解説します。
味見をするのは3回まで
味見を3回までと決めているのは、なんども味見をすると料理の味になれてきて、本来の味がわからなくなるからです。
味がわからなくなることを「 味の順応作用 」といい料理人は気をつけます。
※ 最初のうちは、味見をして自信がないので、もう一度味見する場合は水で口の中をすすぐ。
リセットしてから味を見る癖をつけてください
✅ 味見するタイミングは決まっている( 煮物編 )
1. 最初の調味料をいれたあと( 砂糖 )
2. 調味料をすべていれたあと ( 醤油 )
3. 食べる温度になったとき
1. 砂糖を入れたときに味見をする理由
● 最初に砂糖で甘みを決めるため
● 甘みが決まったあと醤油とのバランスを考えた醤油の量をイメージするため
● 砂糖をいれすぎた場合は、だし汁や水を足して薄める
2. 醤油をいれたあとの味見の理由
● 醤油と甘みのバランスがとれているか確認するため
● 全体の濃度を確認する( 濃い色だと見栄えがわるい )
● 薄い場合は、煮込み時間を調整できる( 煮込むことで味が濃くなる )
煮込んだあと味見する理由
● 最終調整をするため
● 薄いと感じればもう少し煮込む
● 濃い場合は、だし汁や水を足してひと煮立ち
● 甘みが弱ければ「 みりん 」をたす
● メリハリがない場合は醤油でしめる
味見をするときは、多めの量で味見して、舌全体で味わってください。
理由は、舌の場所によって味を感じる感じ方がちがうので注意しましょう!
以上のポイントを意識すれば、回数を重ねるたびに上達します。
素材と使う調味料も味見する
味見をする上で大切なのは、「 味 」の基準を知ることです。
理由は、料理は素材が持つ本来の味をいかすためにあります。
だから、素材の「 味 」を理解していないと「 味見 」をしても、これがおいしいのか?
調味料を加えてどう変化したのか?
この判断ができないからです。
✅ コラム
私が見習いのころは、先輩から使う食材の本来の味を確認させられました。
● 野菜の場合は直接 生で食べてみる
● 肉や魚は、切はしを焼いて食べてみる
● 素材の最初の印象を覚える
例えば、キャベツなら「 今日のは水分が多い 」とか「 今日のは甘い 」とか、季節ごとに変わる味を覚えて、味付けを考えると「 味見 」の基準ができてきます。
素材の味を覚えていると、同じレシピで材料を変えるだけで違う料理がつくれ幅も広がります。
✅ 合わせて読みたい記事
料理の基本と言われる
さ=砂糖
し=塩
す=酢
せ=醤油( せうゆ )
そ=味噌
料理の「 さ・し・す・せ・そ 」
これは、あなたも聞いた事があると思います。
これは、味付けをする上で使う順番です。
でも、塩とか砂糖と聞いてその味が思い出せますか?なんとなくは思い出せると思いますが私たち料理人は鮮明に思い出せます。
これが初心者とプロの違いです。
一度、自分が使う調味料は味を確かめるために、なめてみてください。
多分驚きがあると思います。
こんなに、しょぱいとか、思ったよりからい!なんてことに気づくと思います。
これが自分の基準になり、味付けをする上で入れすぎるということがなくなり味付けは格段によくなります。
味覚を鍛えよう!
味覚を鍛えるために、味覚について簡単に学んでみましょう!
味覚には、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うまみ」の5種類があります。
味覚は舌の上にある「 味蕾(みらい) 」という器官で感じます。
味覚は人が生存するために必要な感覚です。
特に、酸味とか苦味は人間に危険を知らせられる感覚です。
酸味は「 腐敗 」を、苦味は「 毒物の恐れ 」を知らせるために発達したといえます。
では、味覚を鍛えることができる方法を教えます。
✅《 味覚を鍛える方法 》
1. 味覚の一つ一つを意識しながら食べる
2. 風味を感じる
3. 味付けは薄味にする
1. 味覚の一つ一つを意識しながら食べるとは
● ひとつの味覚にかたよらない食事をする( バランスよく違う味を )
● 同じ調味料で料理を食べない( 例 カレーに醤油やウスターソースをかけること )
● 舌の全体を使うためによく噛んで、複雑な味の構成を感じ取る
2. 風味を感じるとは
● 料理を最初に伝える情報は風味( 料理の匂いが過去の記憶と結びつく )
● 香りを味わう
● 鼻がつまっていると味がしないのは風味が味を左右しているから
3. 味付けは薄味にする
ファストフードが発展して、現代では料理の味付けが、昔より濃くなっています。
そのせいか、濃い味付けになれてしまって、味覚を感じ取るセンサーが鈍っています。
鈍ったセンサーを蘇らせるためにも、料理を薄味にすることをおすすめします。
薄味にするメリット
● 複雑な味を認識できるようになる( 強い味に引っ張られない )
● 甘みやうまみを感じ取れるようになる
● 素材本来のおいしさに気づく
● 健康によい
✅ コラム
料理界の巨匠 三國清三氏は『 自分の舌を鍛えてくれたのは「 ホヤ貝 」の苦味だった 』と語っています。 舌の繊細さを鍛えるのは苦味をしることなんでしょうね。
味覚の法則を知る
冷たいコーラに比べて、ぬるいコーラを甘く感じることがありませんか?
これは、味覚の法則が働いているからです。
味覚の法則をいくつか紹介します。
味覚の法則 1
● 味覚は先に食べたものに大きく影響をうける
( 例 )甘いケーキをたべて、次にオレンジを口にすると、とても酸っぱく感じる
理由は、味の対比とよばれるもので先に感じた味が、次の食べた味を際立たせるからです。
味覚の法則 2
料理によっておいしいと感じる温度があります。
味覚は温度によって左右されます。
料理の温度が自分の体温とで、± 25℃以上差があると人間はおいしく感じます。
● 温かいもので、62℃~70℃
● 冷たいもので、5℃~12℃です。
塩味は、温度が低くなるほど強くなり甘みは、体温に近い35℃が一番ピークでそこから高くなると、甘みを感じにくくなります。
《 美味しいと感じる温度 》
● みそ汁 62℃~70℃
● ごはん 40℃~48℃
● サラダ 4℃~10℃
● 酢の物 10℃~15℃
これは、知っておくと便利ですので覚えておくか冷蔵庫にメモして貼っておいてください。
「 温かいものは温かく、冷たいものは冷たく 」です。
味覚の法則 3
味覚と後味について
「塩味」「酸味」は後味が残りにくいです。
塩で変わる3つの味
人間は塩味によって「 うまい 」か「 まずい 」を判断しています。
これは、人間の体には、塩分濃度があり、人類みな同じで0.85%で一定とされていて、いちじるしく狂うと生命の危機に。
特に、塩分の過剰摂取は死に直結するか、少なくとも体に不調をきたします。
そこで、人間には塩分濃度が食事をするたびに狂わないように、体内の塩分濃度と近いかどうか判断する力が備わっています。
これにより、「 うまい 」「 まずい 」の判断ができるのです。
塩の適量は、料理に対する重さの塩の分量で決まります。
これを、「 塩分濃度 」といいます。
塩の量(g) = 料理の重さ(g) × 0.9(%)
100gなら全体に0.9gの塩が適量です。
そして、人間が料理を美味しく感じることが出来る塩分濃度が0.9%前後だとわかっています。
塩で変わる3つの味とは、「うまみ」「甘み」「風味」です。
誤解してほしくないのですが、塩を入れたから素材の味が変わるのではなく、塩を入れることによって人間が感じる味覚に変化が起きるのです。
だから、味気ないといって塩をなんでもかんでも入れると塩分が多すぎて美味しくなくなります。
あくまでも、塩気を感じるのものを加えるのです。
それが、、味噌だったり、醤油だったり香辛料だったりするだけなんです。
まとめ
味見を3回までと決めているのは、なんども味見をすると料理の味になれてきて、本来の味がわからなくなるからと説明しました。
そして、次に味見するときは「 味の順応作用 」を防ぐためにも、口の中を水ですすぐことをおすすめします。
味を見るタイミングが理解できるようになるだけでも、料理の腕は格段に上がります。
最初は「 少し薄いかな?」と感じるくらいがちょうどいいです。
濃い味付けになれると、体にも影響がでますので用心してください。
「 料理は素材を生かすためにある 」
「 素材を生かすための料理 」がわかり始めると料理をするのがたのしくなります。
そこからは、自分のレパートリーが増えていき、アレンジすることもできるので挑戦してみてください。
「 ローマは一日にしてならず 」です。
料理も同じで、少しずつ上手になっていきますのでがんばってください!
応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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