【 料理人でもわかる 】知っておくべき ! アンカリング効果とは

2024年2月29日

お店でメニューを作るときに、「 価格設定 」で悩んだことはありませんか?

原価を計算して、価格設定すると「 この値段で大丈夫かな?」と思ったりしませんか?

個人経営で売上や利益に直結する『 価格設定 』はとても重要なポイントです。

 

こんにちは!

料理人になり40年、独立開業して15年になるよしさんです。

今回この記事では、アンカリング効果について詳しく解説します。

 

その方法とは、行動経済学の中でもっとも簡単で強力な販売戦術である「 アンカリング効果 」です。

✅ この記事の内容

● 行動経済学とは

● アンカリング効果とは

● アンカリング効果とプライミング効果のちがい

● アンカリング効果を使うときの注意点

「 アンカリング効果 」についてその効果と注意点を、詳しく解説します。

 

行動経済学とは

行動経済学とは、「 経済学 」と「 心理学 」を合わせた学問です。

人間は合理的な考えもと行動すると位置づけるのが今の「 経済学 」です。

人間の非合理的な側面を、ありのままの人間の心理や行動で説明しているのが「 行動経済学 」です。

 

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行動経済学 アンカリング効果とは

顧客が商品購入において、提示された価格を検討する際に「 高いか・安いか 」を判断するうえで大切な要素は、それが、適正な価格に思えるかどうかです。

 

例えば、缶コーヒー 1本300円と言われたら高いと思うはずです。

 

なぜなら、缶コーヒーの基準は1本130円くらい。

ですが、スターバックスでは1杯300円と言われても高いとは思わないですよね。

 

これは私達がさまざまな価格に対して、基準をもっていることを意味します。

 

アンカリング効果のアンカーは錨( いかり )です。

アンカリング効果は英語では「anchoring effect」と書きます。

Anchor+ring=アンカリングは 

アンカー(Anchor)は日本語で「いかり」を意味し、アンカリング(Anchoring)は船の錨を下げて船をつなぎとめることを意味します。

つまり、身動きが取れない状態のことを言います。

アンカリング効果とは心理学における認知バイアスの一つで

最初に提示された数字や条件が、船がアンカー( いかり )を下ろしたように固定されそのあとの判断に影響を及ぼすことを言います。

 

皆さんもこんな経験ありませんか?

ひろくん

都心に近いマンションを探しています。家賃15万ほどの物件ないでしょうか?
不動産業者
ございますよ! 案内します。
不動産業者
よければ、こちらの物件も今後のために内見しませんか?

ひろくん

さすが家賃が50万、このマンションすごく見晴らしがいいですね! 
不動産業者
では、次をご案内します。ご希望の家賃より少し高くなりますがいかがですか?

ひろくん

17万でこの物件! ここに決めました!

おわかりですね。

不動産業者が家賃50万の物件を見せることで50万がアンカーになり、50万という価値にひっぱられます。

そのため、17万の家賃が安く感じてしまう、これが、アンカリング効果です。

 

次は、アンカリング効果をさらに詳しくしるために

アンカリング効果とプライミング効果の違いについて説明しますね。

 

アンカリング効果とプライミング効果の違い

アンカリング効果は、意味や情報が提示されている場合にくらべ、アンカーが数字である場合に効果が強い事もわかっています。

 

アンカリング効果で、最初に提示された数字や条件などの基準によって考えるのは、プライミング効果という心理作用が働いているためです。

プライミング効果とは、最初に受けた刺激がその後の判断、行動に影響を与えることを言い、植え付けられた情報やイメージがくっついて離れないようなことを表します。

 

先ほど紹介した、スターバックスのコーヒーが1杯300円以上でも高いと感じないのはプライミング効果が働いています。

 

スターバックスは、コーヒーと一緒に優雅な空間も提供しています。

 

● 高級で落ち着いた雰囲気を漂わせるレイアウトで少しセレブの気分も味わえる

● 優雅な雰囲気のイメージが植え付けられ、それに見合ったものが欲しくなる

 

だから、コーヒーが1杯300円以上しても違和感がないのです。

 

アンカリング効果とプライミング効果は似ていますが、違うものです。

 

アンカリング効果は最初に受けた数字やイメージの比較で起こり

プライミング効果は最初に受けた数字やイメージの定着で起こります。

 

『 最初に受けた数字やイメージが印象に残る 』

これは、メニューにも使えます。

 

飲食店のドリンクメニューで一番最初に値段の高い高級なお酒やワインを提示して、例えば10万円とか、その後に1000円のドリンクメニューがくれば安く感じてしまいます。

 

1000円のドリンクが売れれば、ドリンクは利益率が良いので利益に繋がります。

ですがアンカリング効果は「 諸刃の剣 」です。

アンカリング効果を使う場合は、1000円という値段以上の雰囲気作りもお忘れなく。

 

アンカリング効果を使うときの注意点

アンカリング効果は

『 最初に受けた数字やイメージが印象に残る 』と説明しました。

アンカリング効果をメニューに活かす方法も述べましたが10万円のドリンクを最初目にしたらどう思うでしょうか。

 

このお店は「 高いお店 」と判断されてしまいます。

 

そうなれば、利用頻度は落ちます。

 

逆に、安く1杯100円とドリンクメニューを最初に見せると『 安いお店 』と認識され、ドリンクの注文も増えるでしょう。

ですが、100円のドリンクは10杯作らないと1000円になりません。

 

作業効率が悪くなり、人員を増やしてカバーすることに、これだと人件費が増え利益が減ります。

 

アンカリング効果は簡単で強力な販売戦術です。

 

飲食店でよく使われるのが、「 松・竹・梅 」

「 松・竹・梅 」という3つの選択肢になると、人は真ん中の選択肢を選びやすいという心理傾向があり『 ゴルディロックス効果 』が働きます。

 

「 松・竹・梅 」ではゴルディロックス効果とアンカリング効果の2つが発揮されます。

アンカリング効果で、松・梅がおとりになり、竹が際立つようになります。

「 松・竹・梅 」では、真ん中の『 竹 』に、お客さんが喜んでくれて、なおかつ利益が取れる商品を設定するのがポイントです。

 

アンカリング効果を使う時は、自店を知り、他店や競合店の「 価格帯 」をリサーチして相場や商品に合わせた誠実な価格を表示しましょう。

 

まとめ

アンカリング効果は活用すれば効果が高く、売上が増えお得感も感じてもらいやすくなります。

ですが乱用するのは危険です。

商品知識が豊富なお客様には、悪い印象を与えることになります。

 

心理的効果で商品やサービスを必要以上によく見せようとせず

お客様の立場になって心理的効果を考え活用することが重要です。


今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

皆さまのお仕事が、ますます繁盛することを心から信じて願っています🍀