料理初心者のための調味料ガイド!おいしさを引き立てる秘訣を解説
料理をおいしく作る秘密は、調味料にあります。
料理初心者にとって、どの調味料をどのように使えば良いのか悩んでしまい料理に苦手意識がありませんか?
なかなか、料理がうまくならない・・・このような悩みも
しかし、心配はいりません!
この記事では、一般的な調味料の種類や使い方について詳しく解説します。
こんにちは!
料理人になって40年、独立開業して15年になるよしさんです!
✅ この記事の内容
● 調味料とは
● 調味料の役割とコツ
● 味付けの黄金比
それでは!
料理をおいしくするためのヒントを手に入れ、楽しい料理の世界への第一歩を踏み出しましょう!
✅ 合わせて読みたい記事
調味料とは
調味料とは、食物に味、香りなどを付け加える材料で代表的なのが、砂糖、塩、酢、しょう油、味噌、です。
料理の基本と言われる
さ=砂糖
し=塩
す=酢
せ=しょう油( せうゆ )
そ=味噌( みそのそ )
料理の「 さ・し・す・せ・そ 」
味付けの基本と言われる、味付けするときに調味料を使う順番です。
また、調味料には役割があってそれを知っておくととても便利です。
● 食品に味や香りをつける
● 食品の弾力を出す
● 粘り・つやを出す
● 保存性
調味料は料理のできを左右する重要な役割を持っています。
✅ 合わせて読みたい記事
調味料の役割とコツ
料理の基本は「 さ・し・す・せ・そ 」と説明しました。
この「 さ・し・す・せ・そ 」はかつては、母から娘に味付けを教えるために使われていました。
次の章では、「 さ・し・す・せ・そ 」調味料それぞれの特性と役割を書いていきます。
砂糖( さ )
甘みをつけるはもちろんですが、食材をやわらくしたり、保存性を高める働きがあります。
焼き菓子などに用いるメレンゲなどは、砂糖を加えると卵の卵白の水分を吸収しやすく泡立ちが良くなります。
砂糖の特徴
砂糖の分子は塩の分子より大きいので塩より先に使います。
分子の大きいのが先だと、分子の小さいのが入りやすくなり味が染み込みやすくなります。
砂糖の一番の特徴は、親水性 で水に溶けやすくこれは、水分をよく吸収するためにおこります。
この作用が料理にいかされます。
● 水に溶けやすい
● とろみがでる
● 水分を吸収するので腐りにくい
● 固くなりにくい
● 酸化を防ぐ
● 加熱したら色が付きやすい
親水性とは、水になじみやすい性質のことをいいます。
シメサバを作る時に、塩と一緒に使うお店もあります。
これも、砂糖の特徴を生かした「 水分を吸収し腐敗を防ぐ 」ためです。
普段の炒めものや煮汁にひとつまみ( 0.6~1g )の砂糖を入れるとコクがまして美味しくなりますよ。
✅ おすすめ商品 料理になれるまではコレ!
✅ 料理になれてきたらコレ!
塩( し )
塩を上手に使うことができれば、味付けが格段にうまくなります。
理由は、塩味には食欲増進が期待できる効果があるからです。
塩の特徴
● 水分を抜く 微生物の繁殖を防げる
● 変色や形の崩れを防ぐ 凝固作用でくずれない
● 食品の保存
● 食品の加工
塩の役割
● うまみを引き出す
● 脱水効果
● 臭みをとる
● 変色を防ぐ
● 保存性
塩の一番の役割は、「うまみを引き出す 」です。
これは対比効果によるもので、例えると「 スイカ 」や「 あんこ 」があげられます。
「塩味」「酸味」は後味が残りにくいです。
スイカに塩をふると甘みは残りやすく、塩味は残りにくいため甘みが強調されるからです。
脱水効果
きゅうりなどは、塩もみすることできゅうりの水分がのぞかれ、味が染み込みやすくなります。
きゅうりを塩もみしないで味をつけた場合水分がでて味が薄くなります。
臭いをとる
塩には、浸透圧の働きがあり水分と一緒に臭みも取り除いてくれます。
魚を焼く30分前に塩をかけて焼くのもこの臭みをとるためです。
✅ 浸透圧とは
濃度の低いほうから高いほうへ向かって低分子物質が移動するために圧がかかります。これを浸透圧といいます
引用元:看護roo! 昭和伊南総合病院健診センター長 山田幸宏
変色を防ぐ
塩には、酸化を防ぐ作用があります。
よく使われるのが剥いたりんごを、塩水につけるです。
りんごの色が変わるのは、りんごに含まれる「 ポリフェノール 」が酸化するのが原因です。
塩には酸化を防ぐ作用があるために茶色にならないのです。
保存性
塩には、脱水作用とその他に、水分を保有する働きもあります。
水分を保有するため、微生物の繁殖のを防ぎ腐敗を遅らせます。
梅干しが長期保存できるのはこのためです。
お吸い物やスープなど、作ってみて「 薄いかな?」と感じたら塩を少々( 指2本でつまんだくらい )いれてください、味が引き締まり美味しくなります。
※ 塩はほとんどの調味料にふくまれますので、塩の使いすぎには注意しましょう!
✅ おすすめ商品
酢( す )
料理で使うお酢にはいろいろ種類があります。
お酢とは、糖分のある原料を一度、「 酒 」にして、「 酢酸菌 」をいれ発酵させたものです。
( 穀物酢 )小麦や酒かす、米、コーンなどの穀物をブレンドして醸造 したもの
( 米酢 )米が原料のお酢です
( 黒酢 )米酢の一種で玄米が原料。ツボで長期間熟成させます
( バルサミコ酢 )白ぶどうの果汁を煮詰めて長期間熟成させます
( 果実酢 )果物を原料に作られます、代表的なのがリンゴ酢
お酢の力
お酢を使った料理には効能がおおくありますが調味料中では一番使う機会がないものです。
お酢をうまく使いこなせると、とても重宝します。
では、お酢の力を解説していきます。
凝固作用
お酢には、タンパク質を固める作用があります。
これを利用したのが、「 ゆで卵 」です。
作る際に、お湯の中に酢をいれると卵の殻が割れても、卵白が広がるのを防いでくれます。
肉がやわらかくなる
肉にはPH値があります、これがお酢によって酸性がつよくなると保水性が高まります。
保水性が高まるとは、柔らかくなるということです。
変色を抑える
れんこんやごぼうなど、酢水につけると酢がもつ酵素を抑える作用で変色を防いでくれます。
魚の生臭さを取り除く
鰯の煮付けなどで、梅干しを入れて煮るのは魚の生臭みであるトリメチルアミンを梅干しにある酢の作用で酢酸トリメチルアンモニウムという別の成分に変えるからです。
食欲増進
お酢は唾液の分泌をうながしてくれます。
唾液には。消化酵素も含まれるため食欲が増進されます。
防腐・殺菌の役目
お酢には殺菌・静菌効果があり、その殺菌効果が防腐の役割を果たしたくれます。
食中毒の予防にもお酢は有効であると言われています。
✅ お酢のコツ
料理で試して欲しいのは「 カレー 」です。カレーを作るときに、加熱中にお酢をいれると、加熱すれば酸味はなくなり甘みやうまみが増します。
✅ おすすめ商品
しょう油( せ )
しょう油は大きくわけると、この5つに分類されます。
● 濃口しょう油
● 薄口しょう油
● たまりしょう油
● 再仕込みしょう油
● 白しょう油
特に家庭で使用するのは、「 濃口しょう油 」と「 薄口しょう油 」です。
簡単にこの2つの違いを説明しますね。
「 濃口しょう油 」と「 薄口しょう油 」2つの違い
《 原材料 》
● 濃口しょう油は主に大豆で小麦も使われる
● 薄口しょう油は大豆と小麦とさらにお米も使われる
《 発酵・熟成期間 》
● 濃口しょう油が発酵・熟成に1年~3年
● 薄口しょう油は6ヶ月~8ヶ月と発酵・熟成の期間が短くここに色の違いが出ます。
《 塩分濃度 》
● 濃口しょう油は15%~16%
● 薄口しょう油は18%~19%
✅ ポイント
色が薄い薄口しょう油が減塩の感じがしますが、濃口しょう油の方が塩分は少ないです。
しょう油の使い分け
レシピに出てくるしょう油はほとんどが「 濃口しょう油 」です。
料理初心者は濃口しょう油と薄口しょう油はどうやって使い分けしたらいいのか、悩みますよね。
基本的に、濃口しょう油の方が熟成期間がながいのでうまみ成分も多く含むので美味しく仕上がるのか?といえばそうでもないです。
薄口しょう油は色も薄く、うまみもよわい。
だから、素材の味を生かすことができるのです。
色をあまりつけたくない料理や、食材からのうまみを生かしたいときは薄口しょう油のほうが上品な味に仕上がります。
それとは逆に、料理をコッテリとコクを出したいときは濃口しょう油がおすすめです。
✅ ポイント
しょう油を使うときは、タイミングが大切です。理由は香りをつける役割があるので、熱によって香りが飛ばないようにします。
✅ おすすめ商品
味噌( そ )
味噌は、米や麦、大豆を蒸したものに「 麹 」を入れ塩と種水で発酵・熟成させたものです。
米みそ=大豆+米麹+塩
麦味噌=麦+麦麹+塩
豆味噌=大豆+豆麹+塩
✅ メモ
麹とは米や麦、大豆などの穀物を煮たり・蒸したりしたものに
「 麹菌 」をつけて繁殖させたものです。
味噌の特徴
味噌の原料は同じ「 大豆 」で、出来ています。
製造工程や熟成期間などの違いでいろいろ分け方が違ってきます。
《 原料による分け方 》
● 米みそ
● 麦味噌
● 豆味噌
《 味による分け方 》
● 甘みそ
● 甘口みそ
● 辛口味噌
《 色による分け方 》
● 赤系味噌
● 淡色系味噌
● 白味噌
味噌の役割
● 素材の甘みを増す
● 味をつけ強くして香りを引き立たせる
● 仕上げに加えて香りを楽しむ
● 素材の臭みを消す
✅ メモ
こうじ歩合とは、味噌を作る際の米・麦と大豆の割合です。こうじ歩合が多いほど、香り豊かで甘口です。こうじ歩合が少ないと大豆のうまみや塩味がつよい辛口です。
✅ おすすめ商品 濃厚な自然の甘み
味付けの黄金比
基本となる黄金比は、しょうゆ、酒、みりん、をそれぞれ「 1:1:1 」です。
例えば、しょう油が50gなら、酒も50g、みりんも50gで比率を同じにするということです。
この1:1:1に対して、砂糖が入ったり、しょう油を濃い口を使うか薄口を使うか、だし汁をどのくらい使うかで味付が決まります。
基本は1:1:1です。
ポイントは、しょう油と砂糖が1:1の比率になるということです。
味の濃さは、だし汁が、しょう油と砂糖が1:1の場合に、だし汁を4にするのか、5にするのかの違いになります。
《 肉じゃが 》の場合
だし汁、しょう油、砂糖、みりんを使います。
比率は=5:1:1 だし汁 5( 鰹と昆布だし )に対して、しょう油 1( 濃い口0.5,薄口0.5)と砂糖( 0.7 )とみりん( 0.3 )で1の割合です。
使う肉や素材に合わせて、しょう油の濃い口を0.7にして、薄口を0.3で1にするのもありです。
※ 薄口しょう油は、濃い口しょう油より塩分濃度が高いので使い方に注意が必要です
砂糖の甘味より、みりんを強めて風味がでるように、砂糖0.4でみりんを0.6にしてもいいわけです。
この割合は、好みになってきます。
基本は、だし汁に対して、しょう油と砂糖は1:1と覚えておけば和食の料理には応用できます。
● うどん=12:1:1 だし汁が12に対して( 大さじ1☓12 )ならば、しょう油が大さじ1でみり んも大さじ1
● そうめんつゆ=5:1:1
● 親子丼=5:1:1
以上の割合を覚えておけば、味付けのときに迷うことはなくなります。
✅ おすすめの本
まとめ
調味料を使う目的には次の3つの役割があります。
1. 食品になかった新しい味を加える
2. 食品のもっている味を引き立てる
3. 食品の味とともに新しい味をつくる
味付けの際には、よくその目的を考えて使い分けることが大切です。
最初のうちは、基本の調味料をそろえていきましょう。
料理が楽しくなればいろんな調味料を使いたくなります。
ですが、購入しても使い切らないで捨てることが多々あります。
レシピを読んでも料理内容と調味料が理解できれば、いまある冷蔵庫の調味料で代用できますよ。
料理は理屈とコツがつかめれば誰でもおいしく作ることができます。
頑張ってください!応援しています。
参考文献
1. 参考文献|佐藤理恵子. “調味料の上手な使い方.” 厚生労働省 E-ヘルスネット, https://x.gd/DQ4Tm
2. 参考文献|山田幸宏. “『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。.” 看護roo! 現場で使える看護知識, 17 Dec. 2018, https://www.kango-roo.com/learning/3809/
3. 参考文献|農林水産省. “砂糖の性質と働き.” https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2111/spe1_02.html. N.p., n.d. Web. 14 Feb. 2023.
4. 参考文献|marukome. “味噌のこと.” Https://Www.Marukome.Co.Jp/Miso/.
5. 参考文献|料理日和. “お酢の力.” 料理日和, https://ryouribiyori.com/role-of-vinegar/.
6. 参考文献|料理の幅を広げる、調味料のこと ~醤油~.” 毎日グリル部, 株式会社 ノーリツ, 19 Nov. 2019, https://www.mainichigrillbu.com/column/443.
7. 参考文献|杉田浩一. 新装版「コツ」の科学. 新装版, 柴田書店, 2006.
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません